強心薬

心臓は、全身に血液を送り出す役割がある重要な臓器です。
心臓の機能が低下すると末梢で必要な血液循環量を確保できなくなり
様々な傷害が引き起こります。
そこで、使用するのが強心薬です。
強心薬で代表的なものはジゴキシン(ジゴシン)というお薬で、
機能が低下した心臓に対して働き、正常な状態に戻し、弱った心臓の筋肉の
収縮力を増強させ、心不全の症状を改善します。
また、頻脈性不整脈の改善作用もあるといわれています。
使用上の注意は、房室ブロック・洞房ブロック・ジギタリス中毒・
閉塞性心筋疾患(特発性肥大性大動脈弁下狭窄など)のある患者さんは服用できません。
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副作用については、重大なものでジギタリス中毒があります。
代表的な副作用は、体のあらゆるところに反応があり下記のような症状があります。
@消化器:食欲不振・悪心・嘔吐・下痢など
A眼:視覚異常
B精神神経系:めまい・頭痛・失見当識・せん妄など
C肝臓:AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTP・Al-Pの上昇
D血液:血小板数減少
E過敏症:発疹・蕁麻疹・紫斑・浮腫など
Fその他:女性型乳房・筋力低下
相互作用として、ジゴキシンの作用を増強するものと減弱するものがあります。
◆増強するもの…解熱・鎮痛・消炎剤、トラゾドン塩酸塩、抗コリン薬、強心薬、不整脈用薬、
β遮断薬、利尿薬、アセタゾラミド、スピロノラクトン、血圧降下薬、テルミサルタン、
カルシウム拮抗薬、フルバスタチンナトリウム、アトルバスタチンカルシウム水和物、ポリスチレンスルホン酸塩、
交感神経刺激薬、プロトンポンプ阻害薬、副腎皮質ホルモン剤、ビタミンD製剤、カルシウム経口剤、
カルシウム含有製剤、高カロリー輸血など、ジスルフィラム、シクロスポリン、エリスロマイシン、
クラリスロマイシン、ガチフロキサシン水和物、テトラサイクリン塩酸塩、アムホテリシンB、エンビオマイシン硫酸塩、
リトナビル、イトラコナゾール、スルファメトキサゾール、トリメトプリム、チアマゾール、プロピルチオウラシル
◆減弱するもの…カルバマゼピン、コレスチラミン、コレスチミド、スクラルファート水和物、制酸薬、
フラジオマイシン硫酸塩、リファンピシン、サラゾスルファピリジン、乾燥甲状腺、レボチロキシンナトリウム水和物、
リオチロニンナトリウム、アカルボース、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ。ワート)含有食品
服用時に気を付けなければならないことは、症状が安定している時に服薬を自己中断や
自分の判断で量を減らしたり増やしたりすることは大変危険であることを患者さんに説明して下さい。
また、他の病院や他の科を受診する際は、併用による副作用を防止するためにも
ジギタリス製剤を飲んでいることを必ず伝えるよう説明しましょう。
